ボトックスの単位とは?
ボトックスの「単位」とは
クリニックの料金表には、「眉間10単位」「エラ50単位」のように、部位ごとに数字が記載されています。この「単位」の意味がわからないと、料金を正しく比較できません。
ボトックスの単位は、薬の作用の強さを示す「力価」を表すものです。重さを示すmgや、液体の容量を示すmlとは異なります。力価の単位は、製剤ごとに定められています。
注意したいのは、製剤が違うと単位をそのまま比較できない点です。国内で承認されているボトックス製剤の添付文書にも、単位はほかのボツリヌス毒素製剤とは異なり、換算できないと記載されています。同じ「50単位」でも、製剤が違えば同じ作用の強さとは限りません。
国内で承認されている用量の目安
国内で承認されているボトックスビスタの添付文書には、部位ごとの通常用量が次のように記載されています。対象は65歳未満の成人で、単位数は注射する箇所すべての合計です。
| 部位 | 通常の用量(合計) | 注射箇所 |
|---|---|---|
| 眉間の表情じわ | 10〜20単位 | 計5か所 |
| 目尻の表情じわ | 12〜24単位 | 左右に各3か所、計6か所 |
| 咬筋膨隆(エラ部分の筋肉の張り) | 48〜72単位 | 左右に各3か所、計6か所 |
※出典:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ボトックスビスタ注用 添付文書」用法及び用量
1回に投与できる量にも上限があります。眉間は20単位、目尻は24単位、咬筋は72単位までです。また、眉間と目尻を同時に治療する場合は、合計44単位が上限となります。
額など、この表にない部位は、ボトックスビスタの承認された効能・効果に含まれていません。承認範囲外で使用する場合は、適応外使用にあたります。施術を受ける際は、適応外使用であることや、その理由、期待できる効果とリスクについて医師から説明を受け、納得したうえで判断しましょう。
表の数字は、ボトックスビスタの添付文書に記載された通常用量です。実際の投与量は診察を踏まえて医師が判断します。また、この用量をほかの製剤にそのまま当てはめることはできません。クリニックから提示された単位数が目安と異なる場合は、使用する製剤や投与量の理由を確認しましょう。
同じ部位でも単位数が違う理由
添付文書に記載された通常用量には、眉間は10〜20単位、目尻は12〜24単位というように幅があります。実際の投与量は診察で医師が判断するため、クリニックごとに提示される単位数が違っても、それだけで施術の良し悪しは判断できません。
確認したいのは、単位数の多さや少なさだけでなく、その量を提案する理由です。カウンセリングでは、何単位をどの部位に使うのか、なぜその量を提案するのかを聞いてみましょう。使用する製剤名も確認しておくと、ほかのクリニックと比較しやすくなります。
提示された単位数が添付文書の通常用量と大きく異なる場合は、その理由を医師に確認しましょう。
料金表を比べるときの3つのチェックポイント
ボトックスの単位の意味がわかると、料金表も比較しやすくなります。料金を比べるときは、単位数と総額、使用する製剤、追加費用の3点を確認しましょう。
① 単位数と総額の両方が記載されているか
総額だけでは、何単位分の施術なのかわかりません。単位数と総額の両方が記載されていれば、1単位あたりの金額を計算できます。
| クリニック(例) | 部位 | 単位数 | 総額 | 1単位あたり |
|---|---|---|---|---|
| A院 | 眉間 | 10単位 | 20,000円 | 2,000円 |
| B院 | 眉間 | 20単位 | 30,000円 | 1,500円 |
※金額は説明用の仮のものです。
この例では、B院のほうが1単位あたりの金額は低くなっています。ただし、A院は10単位、B院は20単位と投与量が異なるため、同じ条件の施術とはいえません。1単位あたりの金額だけでなく、使用する製剤や予定する投与量、施術の総額まで確認して比較しましょう。
② 使用する製剤が同じか
製剤ごとに単位の基準が異なるため、1単位あたりの金額を単純に比較できるのは、同じ製剤を使用する場合です。料金表に製剤名が記載されていないときは、問い合わせやカウンセリングで確認しましょう。
③ 追加費用が含まれているか
料金表の金額に、初診料・再診料・麻酔代などが含まれているとは限りません。施術費用以外に必要な費用も確認し、支払う総額を把握しておきましょう。
「1部位」「1回」の表記で確認したいこと
単位数と総額が記載されていても、料金表の条件が異なると正確に比較できません。次の点も確認しましょう。
- 目尻などの「1部位」が片側を指すのか、左右両側を指すのか(ボトックスビスタの目尻の通常用量12〜24単位は、左右を合わせた合計です)
- 眉間だけの料金なのか、「眉間+額」など複数の部位をまとめた料金なのか
- 1回分の料金なのか、複数回のコース料金なのか
- 「〇〇円から」の表示が最低料金なのか、希望する施術にかかる総額なのか
- 表示価格が税込なのか、税別なのか
厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、複数の部位を同時に施術した場合の価格を大きく表示し、1部位だけの施術では倍近い費用がかかることが注釈などでわかりにくくなっている場合、誇大広告にあたる事例として挙げられています。料金が安く見えても、表示価格の条件や注釈を確認し、自分が希望する部位の料金になっているかを確かめましょう。
カウンセリングで聞いておきたい質問
カウンセリングでは、単位数に加えて、使用する製剤や追加費用も確認しておくと、見積もりの内容を理解しやすくなります。次の質問を参考にしてください。
- 今回は何単位を使う予定か。その量を提案する理由は何か
- 使用する製剤名は何か
- 追加で投与する場合、単位数と料金はどうなるのか
- 見積書に製剤名・単位数・施術費用の総額が記載されているか
- 承認された用量や適応範囲と異なる場合、その理由やリスクは何か
説明に納得できない場合や、契約を急かされた場合は、その場で決める必要はありません。見積もりを持ち帰り、ほかのクリニックとも比較してから判断しましょう。


