ボトックス注射と塗るボトックスの違いは?
今ではボトックスという言葉はほとんどの女性は知っていますよね。ボトックスは筋肉に働きかけて、しわを取り除いてくれる注射で、プチ整形の施術の中でも人気があります。多くの女性にとって、シワのない、ツルツルの顔は憧れ。ですから、女性であれば誰でも、ボトックスに興味があるはずです。
そのため、「塗るボトックス」はかなり注目を集めました。ボトックス注射は怖いけど塗るだけならと、そう思った人がたくさんいます。一体、塗るボトックスとはなんなのでしょうか。ボトックスがクリーム状になっているのでしょうか。「塗るボトックス」について調べてみました。
「塗るボトックス」って何?
実は「塗るボトックス」というのは、全くボトックスとは関係のないものです。化学式"C34H60N14O12S"の1種のペプチドで、アセチルヘキサペプチド-8(旧アセチルヘキサペプチド-3)、別名アルジリン、アルジルリン、アルジレリンなどと呼ばれている成分で、植物由来の合成ペプチドです。
ペプチドというのは、東邦大学理学部化学科大学「ペプチドとは」に説明されているように、人体にとって必要不可欠なもので、ホルモンのような働きをするタンパク質を構成するものです。つまり、人体に影響の出にくい物質です。
ボトックスができたのは、スペインです。スペインではボトックスが認可されなかったため、ボトックスに似た働きをするものを作ろうとしてできたのがこれ。ボトックス同様、筋肉の収縮を抑え、表情筋のこわばりを緩やかにします。
ボトックス注射の説明でも理解していただいていると思いますが、シワができる過程には3種類あり、眉間のシワなど筋肉が緊張しているために、その部分がこわばり、シワになっています。そのようなシワは、施術では取りにくいのでボトックス注射を注入するという施術が発明されたのです。ボトックス注射によって、筋肉が緩和し、シワが取れます。眉間のシワをイメージすると理解できますよね。
それと同様の理論で、顔の筋肉を柔らかくし、無意識に緊張しているためにできてしまったシワを取り除こうとしたのが、「塗るボトックス」と呼ばれるアセチルヘキサペプチド-8の効果です。
塗るだけで同じ効果なら「塗るボトックス」の方がいい?
アセチルヘキサペプチド-8もボトックスと同様に筋肉の緊張をほぐす働きをしています。しかし、注射とクリームでは、直接的に働きかける皮膚の深さに違いがあります。
クリームだけでは、真皮にまでも到達することが難しいのではないでしょうか。というのも。(PDF)YAKUGAKU ZASSHI132 巻 (2012) 3 号 p. 319-324「ナノ粒子の皮膚浸透性と安全性」[PDF]にあるように、皮膚は異物が入らないようにバリアを作っているので、クリームを外から塗っても、真皮に到達することが難しいからです。その点、ボトックス注射なら、働きかけたい筋肉に直接針を使って接触するわけですから、効果は絶大です。 つまり、「塗るボトックス」には、ボトックス注射ほどの効果は期待できないというのが結論です。 (PDF)社団法人日本広告審査機構「平成 21 年度審査処理状況の送付について 」[PDF]によると、アルジレリンを使用したクリームを「塗るボトックス」というのは誇大広告に引っかかる可能性があるとされてしまいました。
「塗るボトックス」のメリット
ボトックス注射のような効果は期待できませんが、クリームとして考えるとかなり効果的なクリームと言えます。1ヶ月以上使い続けると、シワが薄くなったと実感している人も多いようです。スペインで作られて、アメリカ合衆国でも大いに話題になったクリームです。
ボトックス注射が怖いなと思う人は、まず、「塗るボトックス」を
どんなにシワのことが気になっても、やはり顔に直接注射を打つことに抵抗のある人は多いでしょう。そういう人は、とりあえず「塗るボトックス」を使ってみましょう。日本でも大手コスメ企業が、アセチルヘキサペプチド-8配合のクリームを作っています。
アセチルヘキサペプチド-8は副作用が今のところ報告されていませんが、やはり安心できるメーカーのものを使った方がよいでしょう。その上でもっと効果を期待したい場合は、クリニックでボトックス注射について相談してみましょう。