ボトックスによる歯ぎしりの治療
今回は歯ぎしりに悩んでいる方へ向け、ボトックス注射を利用した歯ぎしりの治療法について解説します。
なぜボトックス注射が歯ぎしりに良いの?
ボトックス注射というのは、ボツリヌス菌から毒性を取り除いたボツリヌストキシンという成分を問題のある部位に注射します。筋肉の緊張が問題の場合、ボトックス注射によって筋肉が弛緩され、ダイレクトな効果が期待されます。
歯ぎしりの治療が目的なら、歯を動かしている筋肉に直接働きかけます。施術も10分程度でできる短いものです。
ボトックス注射で歯ぎしりの治療
実はボトックス注射を使用する治療法は、歯科や神経科の分野でも認められている方法なのです。神経科の場合はジストニアの治療など、自分自身ではコントロールできない、必要以上に緊迫した筋肉をほぐす目的から始まり、多くのジストニア患者が歯ぎしりに悩んでいることから、ボトックス注射の治療が始まりました。
ジストニアというのは、無意識で継続的な筋肉収縮が発生することで、例えば音楽家など長い間楽器を弾き続けると起こることがあります。ジストニア治療に、欧米ではボトックス注射をごく普通に使用していますが、日本では、まだ保険適用外であることと、ボトックス注射の適量を認識できるほどのベテランの医者が、神経科の分野にはまだいないということもあって普及していません。
しかし、※1「日本神経治療学会標準的神経治療:ボツリヌス治療」というような論文が公開されています。
同様に、※2歯科の世界でもボトックス治療が注目されています。ボトックスによって咀嚼する筋肉を弛緩させ、必要以上に歯に負担をかけないことや、歯茎が必要以上に出ないように(ガミースマイル)するためにボトックス注射を使用しようという動きがあります。そのくらいに、ボトックス注射の安全性と効果が認められてきているということですね。
美容外科でのボトックスでの歯ぎしり治療は一石二鳥
咬筋というのは、顔のエラにあたる部分です。この筋肉が緊張していると歯ぎしりの原因になるだけではなく、エラが張っているだけに顔が大きく見えてしまいます。エラの張りを少なめにするためには、やはり経験豊かな美容外科のドクターにお任せするのが1番でしょう。歯ぎしりで悩んでボトックス注射をして、その上、エラがスッキリして小顔効果。一石二鳥の効果ですね。
ボトックス注射はこんな人におすすめ
- 歯ぎしりが激しい人
- 歯ぎしりで歯がボロボロになりそうな人
- 口元をいつも緊張しているために首筋が凝っている人
- エラが張っている人
そもそも歯ぎしりってなんなの?
もともと、歯ぎしりとは眠っている間に、無意識のうちに歯と歯を激しくすり合わせたり、噛み合わせたりして音を立てることでした。
現在では、目覚めている時にも、無意識に歯をすり合わせたりすることを含めて、「歯ぎしり」と呼ばれるようです。そういう広い意味での口腔内の癖という意味で、ブラキシズム(Bruxism)とも呼ばれます。ブラキシズムは、上下の歯を擦り合わせるグラインディング、上下の歯を強く噛むクレンチング、上下の歯を軽くカチカチと音を立てて動かすタッピングなどの行為を繰り返します。
ひどい人になると、歯ぎしりによって歯が擦れて磨耗していき、エナメル質が取れてしまい抜歯をしなくてならない状態にまで破損してしまう場合もあります。
歯ぎしりの原因は?そして影響は?
歯ぎしりの原因は昔からいろいろと言われてきました。しかし残念ながら原因はまだわかっていません。ただし、口の周りの筋肉、特に咬筋が関係していることは確かです。欧米では、咬筋や側頭筋の異常収縮であるという見解が一般的に知られています。 歯ぎしりをいつもしていると、歯に損傷があるばかりではなく、顎関節症になる可能性も出てきます。
また、※3咬筋以外にも顔や首の筋肉が緊張しているために頭痛や肩こりなどの症状も出てきます。さらに、知覚過敏になったり歯周病が悪化したりすることも。
ボトックス注射の歯ぎしり対策効果
ボトックス注射をしてすぐその夜から歯ぎしりがなくなるわけではありません。少しずつボトックス注射が、筋肉に影響を与え始め、早くて3日目くらいから遅い人は2週間くらいしてから効果が出てきます。
効果の持続は、個人差がありますが、だいたい3ヶ月から6ヶ月くらいです。だんだんと筋肉がリラックスを覚えて、ボトックス注射なしでも歯ぎしりがなくなるかもしれません。
参考
- ※1 (PDF)日本神経治療学会標準的神経治療:ボツリヌス治療[PDF]
- ※2 (PDF)日本美容歯科医療学会咬合力の適正化コントロール過剰な顎運動制御のための歯科ボツリヌス治療[PDF]
- ※3 厚生労働省eヘルスネット歯ぎしり
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